2025/04/25
防災・危機管理ニュース
東北大・災害科学国際研究所は25日、3月28日のミャンマー地震(マグニチュード=M7.7)に関する速報会をオンラインで開いた。岡田悠太郎助教は衛星観測データを解析した結果、震源となった「ザガイン断層」がずれ動いた領域は長さ500キロ弱にわたっており、「その北側や南側でも地震が発生する可能性が高まっていると考えられる」との見方を示した。
今後起き得る地震の大きさは予測できないが、余震とともに注意が必要という。
ザガイン断層は東経96度付近を南北方向に延びる長さ約1200キロの活断層。断層の西側が北へ、東側が南へずれる「横ずれ断層型」の地震が過去に繰り返し起きている。今回の地震後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星「だいち2号」で地殻変動を観測したデータを解析したところ、ずれ動いた領域はミャンマー第2の都市マンダレーの北方に当たる北緯22度30分付近から、最大都市ヤンゴン北方の北緯18度12分付近まで、500キロ弱にわたった。
過去の研究報告では、断層の深い所が年間2センチ前後ずつ、定常的に滑っており、浅い所にひずみがたまって地震を引き起こす原因になる。今回の地震は首都ネピドー北方に当たる北緯21度30分~20度の区間が大きくずれ動き、この区間は少なくとも1897年以降にM7以上の地震が起きていない「空白域」とほぼ重なっていた。500キロ弱の領域の北側や南側でも、断層を動かそうとする力が強まっているとみられ、新たな地震につながる可能性が高いという。
(ニュース提供元:時事通信社)
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