2026/10/12
防災・危機管理ニュース
不正アクセスによる企業の情報流出が止まらず、政府が対応に苦慮している。被害急増の背景には人工知能(AI)の悪用が指摘されるが、政府側は現時点で情報収集・共有や「推測されやすいパスワードの使用禁止」といった基本的な「注意喚起」以外に打つ手がないのが現状だ。
高市早苗首相は8日の衆院本会議で、個人情報の相次ぐ漏えいについて「国民に不安を与えている。早急に情報を整理、分析するとともに、幅広い事業者に注意喚起を行っていく」と強調した。ただ、具体的な対策は打ち出さなかった。
国家サイバー統括室(NCO)や経済産業省などは9日に「注意喚起」をそれぞれ発出したが、「サポートが終了した製品を利用しない」「利用していないシステムや機能は停止・削除する」「利用目的を終えた情報は速やかに削除する」など従来型の対策が並んでいる。
政府関係者は「注意喚起が最も早い」と説明するものの、別の関係者は「民間企業が相手なので、お願い以外に方法がない」と漏らした。政府高官は「攻撃する方が圧倒的に有利だ。新しい攻撃ツールが誕生する頻度が増している」と述べ、攻撃側の動きが加速していることを明らかにした。
政府は1日から重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の運用を始めたが、具体的な効果はまだ見えない。NCOは官民が情報を共有する「サイバー協議会」の枠組みを活用し、特定の機器の脆弱(ぜいじゃく)性についての情報などを周知・共有するにとどまっている。
自民党は9日、党本部で「国家サイバーセキュリティ戦略本部」(本部長・平将明元デジタル相)の会合を開き、対応を協議した。平氏は「企業へのサイバー攻撃は収束することなく、広がっていく」と指摘。AI悪用で自動化された飽和攻撃の可能性にも触れ、新たな対策が必要になるとの認識を示した。
〔写真説明〕自民党「国家サイバーセキュリティ戦略本部」の会合であいさつする平将明本部長=9日、東京・永田町の同党本部
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=9日、東京・永田町
(ニュース提供元:時事通信社)


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