地震への対策に比べ、洪水など水害に対する対策は遅れている。受電施設や非常用発電機は浸水すれば当然、機能を失う。高所に場所を移す、止水板、防水扉、防水壁を設けるなどのハード対策に加え、できれば本社に参集できなくなった事態も考え、代替となる対策本部や、代替生産拠点なども考慮しておきたい。大規模な対策ができない中小企業でも、まずはハザードマップを活用し浸水のリスクを把握した上で、例えばパソコンやサーバー、重要な書類が浸水しないよにうしておく地震と同様に数日間は建物内部で過ごせるような備蓄をしておく、避難先や避難方法を確認しておく早期退社や出社のルールを決めておく、停電で電話が使えなかった時のために顧客や従業員との間で連絡方法を決めておく、保険の加入状況を確認しておく、などやるべきことは多い。今回の鬼怒川の決壊でも、「BCPの策定に伴い従業員や顧客との連絡方法を決めておいたことで不要な心配をせずに済んだ」「サーバーや重要書類の被災を免れたことで大きな支障が出なかった」「保険(水災特約)に加入していたこで被害をカバーできた」など、事前の対策が被災後の明暗を分けている。