【ワシントン時事】米司法省は9日、ロシア連邦保安局(FSB)のサイバースパイ活動に使われていたネットワークを破壊したと発表した。FSBは約20年間にわたり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国など50カ国・地域以上のコンピューターから機密情報を盗んできたという。
 日本が対象になっていたかは不明。米政府は標的となっていたコンピューターがある国・地域の現地当局にも情報提供したと明らかにした。
 スパイウエアはコンピューターなどを感染させて機密情報を抜き取るソフト。発表によると、FSBの第16センターの部隊は「スネーク」と呼ばれるスパイウエアを使い、世界中でコンピューターを感染させ、機密情報を得てきた。
 米連邦捜査局(FBI)はこのスパイウエアを分析し、通信を解読して無効化する能力を開発。サイバースパイ活動を今後行うことができないようにした。ガーランド司法長官は声明で「われわれは米国と同盟国の安全保障を脅かすロシアに対し、集団的防衛力を強化していく」と述べた。 
〔写真説明〕ガーランド米司法長官=2022年2月、ワシントン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)