【サンパウロ時事】中米グアテマラの日刊紙エルペリオディコは12日、発行休止を発表した。最終号は15日。政権の腐敗を追及する調査報道が売りだったが、創業者が逮捕されるなど当局の締め付けが強まり、事業継続は困難と判断した。
 1996年に創刊したホセ・サモラ社長は昨年7月、マネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で逮捕された。同紙は「現政権が事件をつくり出した」と指摘。「政治的、経済的な圧力」に抵抗しながら新聞発行を続けた。
 だがその後、担当弁護士4人が拘束されたほか、記者6人とコラムニスト3人も当局の捜査を受けた。11月には電子版のみに切り替えたが、広告主への圧力も高まっていた。
 グアテマラでは、腐敗や人権侵害などを追及するジャーナリストらを刑事訴追する動きが相次いでいる。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、同国で「表現の自由が制限されている」と警告している。 
〔写真説明〕グアテマラの日刊紙エルペリオディコのホセ・サモラ社長=2022年8月、グアテマラ市(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)