パラオのウィップス大統領は15日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、中国が太平洋島しょ地域への進出を加速させていることを巡り、「われわれの安全保障の責任は米国にある」と述べ、米国に支援を要請したことを明らかにした。パラオは米国に防衛を委ねる協定を結んでいる。
 中国が太平洋島しょ国と関係を強化する中、パラオは台湾と外交関係を維持。ウィップス氏は、パラオ海域で中国船舶の無断航行が相次いでいると指摘し、「国際法違反だ」と非難した。米国に対し「(中国の)不審な活動を防ぐための支援が必要だ」と伝えたという。「ウクライナで起きているようなことが、太平洋では決して起きてほしくない」と強調した。
 ウィップス氏はまた、13日に視察した東京電力福島第1原発について、日本政府が海洋放出する方針の処理水は「厳しい安全基準を満たしている」と評価。「各国首脳に自ら視察することを勧める」と述べた。東日本大震災後、福島原発を視察した外国首脳は初めて。 

(ニュース提供元:時事通信社)