帝国データバンクは20日、文章や画像を自動で作成する生成AI(人工知能)の活用について、企業を対象に実施した調査の結果を発表した。「業務で活用している」との回答は9.1%、「活用を検討」は52.0%を占め、計61.1%が前向きな姿勢を示した。一方、情報漏えいなどへの懸念も根強く、「活用を検討していない」も23.3%あった。
 生成AIを活用しているのは大企業の13.1%、中小企業の8.5%で、規模が大きいほど利用が進んでいる傾向が見られた。ただ、利用に関する社内ルールを策定しているのは全体の1.2%にとどまった。調査対象企業からは「個人情報を入力しないなど、一般的な注意事項を守れば利用制限はデメリットの方が大きい」(不動産)との声が聞かれた。
 活用を検討していても、具体的な使い方に関して「イメージが湧かない」との回答が37.8%に上った。「使い方がよく分からない。詳しい社員もいない」(輸送用機械・器具製造)などと、対応に苦慮する企業も少なくない。「今後も活用するつもりはない」は17.7%、「利用が認められていない」は5.6%で、「知らない」は4.3%だった。
 帝国データは「生成AIは(すぐに役に立つ)イメージが先行しており、ビジネスでの活用にはもう少し時間がかかりそうだ」と分析している。
 調査は6月12~15日にインターネットで行い、有効回答数は1380社。 

(ニュース提供元:時事通信社)