日本海に延びる梅雨前線などの影響で、30日から7月1日にかけては日本列島の広い範囲で雨が降り、九州や中国地方西部では大雨となった。前線は東・西日本に南下する見込み。気象庁は1日午前1時、山口県で発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生したとの情報を発表。土砂災害や低地の浸水、河川の氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
 線状降水帯は1日午前にかけて九州でも発生する可能性がある。同庁の立原秀一主任予報官は30日午後、「災害の危険度が急激に高まる恐れがあり、身の安全を守る行動を考え、備えてほしい」と話した。
 九州や中国地方西部には、暖かく湿った空気が南西から太平洋高気圧の縁を回るように流れ込んだ。山口県では30日深夜から1日未明にかけ、1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとの記録的短時間大雨情報が相次いで発表された。
 1日午前0時40分までの24時間雨量は熊本県湯前町で377ミリ、大分県由布市で347ミリに上った。広島と島根、山口、福岡、大分、佐賀、熊本各県の一部に土砂災害警戒情報が出され、各地で避難指示が発令された。
 1日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、九州北部・南部と近畿300ミリ、四国250ミリ、東海200ミリ、北陸と関東甲信180ミリ、中国150ミリ、東北と北海道100ミリ。
 その後、2日午後6時までの同雨量は九州北部・南部と関東甲信50~100ミリ。さらに3日午後6時までの同雨量は九州南部100~150ミリ。 
〔写真説明〕大雨の見通しについて説明する気象庁の立原秀一主任予報官(左)ら=30日午後、東京都港区
〔写真説明〕大雨の中、帰宅を急ぐ人たち=30日午後、熊本市中央区

(ニュース提供元:時事通信社)