梅雨前線が停滞する九州では2日夜から3日午後にかけ、大雨になる所があった。熊本県では猛烈な雨が降り、気象庁は同日午前6時半ごろと午後1時半の2回、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生したとの情報を発表した。九州南部の鹿児島県(奄美を除く)と宮崎県でも4日午前にかけて発生する可能性がある。同庁は土砂災害や河川の氾濫、低地の浸水に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
 熊本県山都町では1時間雨量が3日午前1時40分ごろまでに82ミリ、益城町では午前0時45分すぎまでに80ミリとなり、それぞれ7月の観測史上最多記録を更新した。宇城市付近では正午までの1時間雨量が約110ミリとの記録的短時間大雨情報が発表された。3日午後には熊本県のほか、大分、宮崎、鹿児島各県の一部に土砂災害警戒情報が出され、各地で避難指示が発令された。
 熊本県内の高速道路は九州道などの一部区間が通行止めとなった。
 九州以外の西日本や東日本では、3日は上空に寒気が入って大気の状態が不安定となり、急な強い雨や突風、落雷、ひょうに注意が必要。梅雨前線は4日にかけ九州を南下する見込み。
 4日正午までの24時間予想雨量は多い所で、九州南部300ミリ、九州北部200ミリ。その後、5日正午までの同雨量は九州北部100~200ミリ、九州南部と奄美100~150ミリ。 
〔写真説明〕大雨の影響で崩落した御船川に架かる金内橋=3日午前、熊本県山都町(同町提供)
〔写真説明〕大雨で川が氾濫し、水浸しになり見えなくなった道路。奥は動けなくなった車=3日午前10時50分ごろ、熊本県益城町
〔写真説明〕長六橋と大雨で増水した白川の濁流=3日午前、熊本市中央区
〔写真説明〕大雨で増水した熊本市内の健軍川=3日午前10時ごろ、熊本市東区

(ニュース提供元:時事通信社)