日本有数の繁華街、東京・新橋に3日午後、「ドーン」とごう音が鳴り響いた。白昼の爆発火災。現場の雑居ビル周辺にはガラス片などがれきが散乱し、近所の飲食店の店員らが恐怖を語った。
 現場から約50メートル離れた飲食店で仮眠中だったという男性従業員(24)は、「雷が落ちたかと思い、びっくりして飛び起きた」と振り返る。外に出ると、辺りはガスとプラスチックが燃えたような臭いが立ち込めていた。火元とみられるビル2階から黒煙が上がっているのが見え、「また爆発するかもしれないと思うと怖かった」と声を震わせた。
 約70メートル先の飲食店で仕込み作業をしていた女性従業員は「ドーン」という音を耳にした。「トラックが近くの店に突っ込んだのかと思った。音だけでなく爆風が一気に直撃し、店のシャッターと店全体が大きな音を立てて揺れた」と語り、「本当に怖かった」と何度も繰り返した。
 ごう音は約200メートル離れた別の飲食店にも届いた。店主の松田篤徳さん(82)は「クレーンが倒れるような、鼓膜や下っ腹に響く音だった」と心配そうに現場を見つめた。爆発音の約10分後には、焦げたような臭いが店まで流れてきたという。 

(ニュース提供元:時事通信社)