北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で対ウクライナ支援が焦点となる中、同国の首都キーウ(キエフ)などに11日未明、ロシアの攻撃があった。ウクライナ空軍によると、全土にイラン製ドローン28機が飛来し、うち26機を撃墜。落下物で住宅などに被害が出たが、死傷者はいないという。
 米シンクタンク戦争研究所の10日の報告によれば、ウクライナは反転攻勢を開始した6月4日以降、253平方キロを奪還。ロシアはウクライナ東部の要衝バフムトの攻略に手間取り、今年に入って占領した面積は282平方キロにとどまっているという。同研究所は「ロシアが過去6カ月間で占領したのとほぼ同じ面積を、ウクライナ軍は5週間で解放した」と分析した。
 一方、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は10日、侵攻開始から5月末までの15カ月間で、ロシアの戦死者が約4万7000人に達したという推計を伝えた。公開情報から「少なくとも約2万5000人が戦死した」とする英BBC放送などの独自集計を踏まえつつ、統計上の予想を実際の死者数が上回る「超過死亡」の概念も加味して算出した。 

(ニュース提供元:時事通信社)