経済産業省は14日、半導体素材大手SUMCOが佐賀県に新設する工場に最大750億円を助成すると発表した。同社は半導体の基板に使われるシリコンウエハーで国際的な競争力を持つ。政府は、半導体素材メーカーの国内基盤の強化にも本腰を入れ、経済安全保障に直結する半導体サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を進めようとしている。
 SUMCOは、化学大手の信越化学工業と合わせると、シリコンウエハーで世界シェアの約5割を占める。生産能力拡大に向け、佐賀県の伊万里市と吉野ケ里町でそれぞれ工場建設を計画しており、建設費と設備投資を合わせて2250億円を見込む。工場では最先端半導体向けに直径300ミリのシリコンウエハーを製造する。供給開始は2029年10月の予定。
 SUMCOは今回の決定について、「日本で半導体産業を活性化させるのに必要だと認めていただき、うれしく思う」とコメントした。 
〔写真説明〕経済産業省=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)