南欧では24日も記録的な熱波が猛威を振るった。山火事が続くギリシャでは、ロードス島などで大勢の住民や観光客が避難を余儀なくされた。イタリア南部のシチリア島でも高温が原因の停電が発生し、数十万人が電気や水道の供給を断たれた。
 ギリシャでは連日の酷暑で山火事が激化。キキリアス気候危機・市民防災相によれば、消防隊は12日間連続で国内500カ所以上の山火事に対応している。
 ロイター通信によると、エーゲ海にあるロードス島では週末に約2万人が自宅やホテルから避難し、24日もさらに数百人が避難。23日から24日午後までに、英国やドイツ、イタリアなどからの観光客2000人以上が出国した。AFP通信によると、イオニア海のコルフ(ケルキラ)島でも消防当局が予防措置として約2400人を島から避難させた。
 ギリシャでは観光収入が国内総生産(GDP)の約18%を占め、観光依存度が高いロードス島などでは書き入れ時の山火事は大きな痛手だ。欧州旅行大手TUIは24日、ロードス島へのパック旅行を28日まで中止すると発表した。
 ミツォタキス首相は国会で「私たちは戦いのさなかにある」と強調。気温低下まで「厳しい3日間がさらに待ち受けている」と警告した。
 一方、シチリア島のカターニアでは24日、気温47.6度を観測。AFP通信が当局報道官の話として伝えたところでは、カターニア一帯で20日以降、50万人が停電に見舞われている。イタリア電力公社の関連会社は、アスファルトの路面が高熱になったことなどの影響で、地下ケーブルが損傷を受けたと指摘。停電に伴う給水ポンプの停止で、20万~30万人が一時断水の被害を受けた。 
〔写真説明〕24日、ギリシャ・コルフ(ケルキラ)島で、山火事の煙の前に立つ消防隊員ら(AFP時事)
〔写真説明〕23日、ギリシャ・ロードス島で、山火事で焦げた車(AFP時事)
〔写真説明〕23日、ギリシャ・ロードス島の空港で待つ旅行客ら(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)