【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は29日、米政府が中国製マルウエア(悪意あるソフトウエア)の探索に乗り出していると報じた。台湾有事などの際、中国のハッカーが米軍の作戦を混乱させることができるとの懸念が高まっているためだという。
 機密情報を共有する枠組み「ファイブアイズ」を構成する米国など英語圏5カ国の当局は5月、米領グアムの通信インフラに中国が「ボルト・タイフーン」と呼ばれるマルウエアを仕込んでいたと発表した。グアムには米軍の主要基地があり、台湾有事で重要な拠点になるとされている。
 報道によると、このマルウエアは米軍基地への電力・水の供給や通信を遮断し、米軍の活動を遅らせる可能性がある。米軍基地だけでなく、一般家庭や企業にも影響が及ぶ恐れがあるという。
 米政府のこれまでの調査で、中国によるマルウエアを使った情報活動は当初認識されていたより広範囲に及んでおり、米国だけでなく、米国の在外施設も対象となっている。同紙の報道では、多くの米軍基地がある日本など具体的な国名に触れていない。 

(ニュース提供元:時事通信社)