台風7号は15日午前5時ごろに紀伊半島南端の和歌山県串本町・潮岬付近に上陸し、兵庫県を縦断して夜には日本海を北上した。近畿や東海、中国、四国では風が吹き荒れ、各地で猛烈な雨が降った。気象庁は午後4時40分に鳥取市に大雨特別警報を出した後、台風が遠ざかり、雨が弱まったため、午後11時10分に大雨警報に切り替えた。
 同庁の杉本悟史予報課長は特別警報を発表した際の記者会見で、「何らかの災害が既に発生している可能性が極めて高い」として、土砂災害や低地の浸水、河川の氾濫に最大級の警戒を呼び掛けた。鳥取市は5段階の警戒レベルで最も高い緊急安全確保を発令した。
 鳥取県から岡山県にかけては、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生したとの情報が午前7時50分に発表された。鳥取市や鳥取県八頭町、三朝町では同日朝、1時間雨量が90~100ミリの記録的短時間大雨情報も相次いで出された。国土交通省などは夕方に一時、鳥取市内の千代川に氾濫危険情報を出した。
 和歌山市では男性(60)が建物の外壁の下敷きになり、くも膜下出血で意識不明となった。総務省消防庁の午後8時のまとめでは、和歌山、香川両県でこの男性を含め6人が重傷。静岡と愛知、三重、京都、大阪、香川各府県で計22人が軽傷を負った。
 三重県大台町では午後2時までの24時間雨量が605ミリに上った。同県尾鷲市では午前2時15分すぎに最大瞬間風速37.9メートル、神戸市中央区では午前7時ごろに同35.7メートルを観測した。
 東海では16日午前まで線状降水帯が発生する可能性がある。16日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、東海200ミリ、北陸と中国150ミリ、関東甲信120ミリ、近畿100ミリ。
 7号は15日午後9時、兵庫県豊岡市の北北西約60キロの海上を時速15キロで北へ進んだ。中心気圧は990ヘクトパスカル、最大風速23メートル、最大瞬間風速35メートル。半径280キロ以内が風速15メートル以上の強風域。 
〔写真説明〕台風7号の影響で増水した千代川=15日午後、鳥取市
〔写真説明〕台風7号の影響でシャッターが下りたJR京都駅=15日午前、京都市下京区

(ニュース提供元:時事通信社)