2013年の台風18号で、京都府福知山市が造成した宅地に建てた自宅が浸水した住民7人が、浸水リスクの情報提供を怠ったとして市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。千葉和則裁判長(長谷部幸弥裁判長代読)は、このうち3人に対し計約810万円を支払うよう市に命じた一審京都地裁判決を取り消し、7人全員の請求を退けた。
 千葉裁判長は、浸水した宅地について「市が水害の可能性が高い場所と認識していたとは言えない」と指摘。市が宅地を売却した当時、住民らにハザードマップの説明をしなかったことに関しては「当時は法律上、説明が求められていたわけでもなく、説明することが当然の運用になっていたわけでもない」と述べ、市の責任を否定した。
 判決によると、7人は09~13年、市が造成した土地を購入して自宅を建築。13年9月の台風18号の影響を受けた豪雨で、付近を流れる川が氾濫し、床上浸水などの被害を受けた。 

(ニュース提供元:時事通信社)