【カイロ時事】シリア南部スワイダで2日、アサド大統領の退陣を訴える抗議活動が行われた。地元メディアが伝えた。英国に本拠を置くシリア人権監視団によれば、スワイダでは反政府デモが約2週間続いており、1日には中心部の広場に2000人以上が集結。アサド政権支配地域で、政府への抗議活動が長期化する異例の事態となっている。
 1日に広場を埋め尽くした参加者は「シリアは自由だ。アサドは出て行け」などと訴えた。報道によると、1日のデモは内戦のきっかけとなった2011年の反体制デモ以降、スワイダでは最大規模という。
 13年目に入っても内戦が終わらないシリアでは、約7割の国民が人道支援を必要としており、厳しい生活を強いられている。通貨は暴落し、経済は危機的状況だ。
 こうした中でアサド政権は先月、燃料補助を廃止。これが引き金となり、不満がたまった住民の怒りが爆発して抗議活動に発展した。
 小規模ながら北部アレッポなど他の地域でもデモが行われた。アサド政権は騒動の拡大を防ぐため、首都ダマスカスに治安部隊を展開したと伝えられている。 

(ニュース提供元:時事通信社)