2023/09/28
防災・危機管理ニュース
インド洋の島国モーリシャス沖で2020年7月、日本の貨物船が座礁し、大量の重油が流出した事故で、運輸安全委員会は28日、詳細な海図がないにもかかわらず、スマートフォンの通信圏内に入る目的で航海計画を変更し、島に接近したことが事故原因とする調査報告書を公表した。
事故を起こした貨物船「WAKASHIO」は、長鋪汽船(岡山)が管理し、商船三井(東京)が運航を手配。シンガポールからブラジルに航行中の20年7月25日夜(現地時間)、モーリシャス島沖で座礁した。乗組員にけがはなかったが、燃料タンクから約1000トンの重油が海上に流出した。
報告書によると、WAKASHIOは同島に寄港予定がなかったため、周囲の詳しい海図を入手していなかった。しかし船長は、自分や乗組員らのスマホの電波を受信する目的で島に接近するよう指示した。衛星電話を用いた通話料金が高額な上、同船には定額課金制で高速データ通信ができる機器がなく、過去にもスマホの電波を受信するため陸岸への接近を繰り返していたという。
〔写真説明〕モーリシャス沖で座礁した日本の貨物船「WAKASHIO」=2020年8月(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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