【ニューデリー時事】アフガニスタン西部ヘラート州で7日に相次いだ強い地震で、イスラム主義組織タリバン暫定政権は8日、死者が同州の13の村で2053人に達したと発表した。家屋が多数倒壊し、下敷きになったままの人がいるとみられる。被災地では救助活動が続いている。
 負傷者は9200人超、1300以上の家屋が損壊したという。同地域はれんがや土でできた耐震性の低い建物が多いため、被害が拡大したとみられる。在アフガン日本大使館によれば、邦人の被害に関する情報は入っていない。
 米地質調査所(USGS)によると、最初のマグニチュード(M)6.3の地震は7日午前11時10分(日本時間同午後3時40分)ごろ発生。その後、2度目のM6.3を含む強い余震が続いた。
 国営バフタル通信は当局者の話として、揺れの強かったヘラート州ジンダヤン地区とグリアン地区にある12の村が「完全に破壊された」と伝えた。
 SNSには、がれきの中から住人を救助したり、余震を恐れた住民が屋外のテントで夜を明かしたりする様子が多数投稿された。住民のバシル・アフマドさん(42)は、AFP通信に「大きな音が響き、反応できる時間はなかった。最初の揺れで全ての建物が倒壊した」と語った。
 2021年8月にタリバンが復権して以降、人道組織の多くがアフガンを離れたため、被災者支援に向け十分な態勢を組めるかは見通せない。アフガンでは昨年6月にも東部が強い地震に見舞われ、1000人以上が犠牲になった。 
〔写真説明〕7日、アフガニスタン西部ヘラート州で、地震で倒壊した住宅を片付ける住民(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)