【カイロ時事】イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザへの空爆で、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの幹部2人を殺害したと発表した。ハマスは大規模な砲撃で対抗。激しい衝突による11日までの双方の死者は、約2100人となった。イスラエル北部ではレバノン南部からの越境砲撃も続き、不安定化の懸念が高まってきた。
 報道によると、イスラエル側では少なくとも1200人が死亡。パレスチナ側では少なくとも900人が命を落とした。イスラエル軍はガザから越境したハマス戦闘員とみられる多数の遺体を発見したと発表。死者数は大きく増えそうだ。
 軍はまた、空爆で殺害したハマス幹部について、1人は「経済相」として資金調達を担っていたと説明。もう1人はガザ内の武装勢力間の調整役を務めていたとしている。報道官は、ハマス高官の殺害が最重要目標であり、「その手を緩めない」と強調した。
 イスラエルの攻撃は、ガザの街を廃虚に変えた。ロイター通信はパレスチナに対する空爆としては、75年のイスラエル史上で最大規模と伝えた。ガラント国防相は「全面攻撃に移行している」と述べ、地上作戦開始を示唆。ガザは一層厳しい状況に置かれることになりそうだ。 
〔写真説明〕イスラエル軍の空爆を受けるパレスチナ自治区ガザ=8日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)