政府の地震調査委員会の定例会合が11日開かれ、9日朝に太平洋沿岸に津波を引き起こした鳥島近海の現象の地震波を解析した結果が気象庁や防災科学技術研究所から報告された。平田直委員長(東京大名誉教授)は記者会見で「まれな現象だ。大きな揺れを伴う地震がなくても津波が起きることがある」と述べ、改めて注意を呼び掛けた。
 鳥島近海では2日から地震活動が活発化し、5日にはマグニチュード6.5の地震で最大30センチの津波が発生した。しかし、平田委員長は9日朝については「性質の違う現象が起きた」と指摘。地滑りや地下のマグマの動きで海底地形が変化したかどうかは、地震波の詳細な解析などで明らかになる可能性があるとの見方を示した。 
〔写真説明〕9日に津波を引き起こした鳥島近海の現象について記者会見する平田直地震調査委員長=11日午後、文科省

(ニュース提供元:時事通信社)