2023/10/17
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】イスラエルによる軍事作戦が続くパレスチナ自治区ガザで100万人を超える避難民が発生したとされる中、ガザに隣接するエジプトは大量の住民が越境して自国に流入する事態への懸念を深めている。シシ大統領は、避難民受け入れに断固反対の立場だ。
大規模地上作戦の準備を進めるイスラエル軍は、ガザ北部の全住民約110万人に対して南部への退避を勧告。シシ大統領は15日、ブリンケン米国務長官との会談で、こうしたイスラエルの対応は自衛権の発動を超えた「集団的懲罰だ」と強く非難した。
シシ氏は12日の演説でガザ住民への対処を巡り、エジプトは「既にさまざまな国から計900万人を受け入れている」と説明。ただ、パレスチナ人については自らの土地で暮らすという「大義」が失われるため、受け入れられないと指摘した。
一方、ブリンケン氏は15日報じられた中東の衛星テレビ局アルアラビーヤのインタビューで、ガザ住民をエジプトに追放するような状況を「支持しない」と明言。あくまでガザの域内で、避難民支援を強化していく考えを示した。
2010年代初めにイスラエルのネタニヤフ政権下で副外相を務めたこともあるアヤロン元駐米大使は、13日放送の衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューで、ガザ住民はエジプト東部シナイ半島の砂漠に移動すべきだと発言。「砂漠には無限のスペースがあり、われわれと国際社会がテントなどインフラを用意する」と主張した。
1948年のイスラエル建国後、同国の領土となった土地にそれまで暮らしていたパレスチナ人の多くが故郷を追われた。イスラエルは自らを「ユダヤ人国家」と位置付け、難民の帰還権を認めていない。
〔写真説明〕会談するブリンケン米国務長官(左)とエジプトのシシ大統領=15日、カイロ(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方