ホンダは19日、東京都内で自動運転のタクシーサービスを始めると発表した。2026年初頭に都心で数十台からスタートし、その後に500台規模での運用を目指す。軌道に乗ればさらに台数を増やし、地方での事業展開も視野に入れる。実現すれば、特定の条件下で無人の自動運転を可能とする「レベル4」としては都内初のサービスとなる。
 ホンダの三部敏宏社長が都内で記者会見し、明らかにした。同社は事業化に先立ち、24年前半に米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)、同社傘下の自動運転技術開発会社GMクルーズと合弁会社を設立する。既存のタクシー会社とも連携する方向で、既に帝都自動車交通(東京)や国際自動車(同)と協議を進めている。
 サービスでは、共同開発した対面6人乗りの車両「クルーズ・オリジン」を採用。運転席はなく、配車から決済まで全ての手続きがスマートフォンのアプリで完結できる。都内ではまず、都心の一部エリア内で目的地を自由に選べるようなサービスを想定している。
 三部社長は、乗客は運転手がいない広い車内空間を生かしてゆったりとくつろげると説明。高齢者や障害者が過ごしやすい環境づくりや音楽、映像などの提供も検討していると明かし、「サービスは無限にある」と強調した。 
〔写真説明〕自動運転サービスを発表したホンダの三部敏宏社長(左)とGMクルーズのカイル・ボークトCEO=19日午前、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)