2023/11/14
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで地上侵攻を進める中、北方の隣国レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとイスラエル軍の交戦が激しくなっている。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに同調するヒズボラは過去数日、イスラエル領内へのミサイル攻撃や砲撃を強めており、イスラエル側は北部でも臨戦態勢を取らざるを得なくなっている。
イスラエル軍は連日、ヒズボラの攻撃に対抗してレバノン南部の拠点を空爆している。12日はレバノンからイスラエルへミサイルなど15発が撃ち込まれ、軍はうち4発を迎撃。しかし、イスラエル兵7人、市民十数人が負傷した。13、14両日もイスラエル北部への砲撃が相次ぎ、イスラエル軍はレバノン南部への反撃を繰り返した。
11日に北部国境沿いを視察したガラント国防相は、「われわれがガザでできることは、(レバノンの首都)ベイルートでもできる」と強調。ネタニヤフ首相も13日、「われわれが一部の力しか見せていないからといって試そうとしてはならない。危害を加えれば応酬する」と警告した。
イスラエル軍報道官は12日、「軍はガザに注力しているが、北部でも備えは十分だ。北部の安全保障環境を変える作戦計画を持っている」と述べ、大規模なヒズボラ攻撃を示唆した。ただ、ガザの地上作戦は長期化が必至で、戦力の分散を強いられるヒズボラとの本格的な戦闘は避けたいのが本音だ。
ヒズボラの指導者ナスララ師は11日、対イスラエル攻撃で新型ミサイルや攻撃型無人機を初めて投入したと主張し、威嚇を弱める気配はない。後ろ盾であるイランの意向や、圧倒的な軍事力の差もあり、ヒズボラは宣戦布告には消極的とみられるものの、イスラエル紙ハーレツは「イスラエルが緊張激化のペースを制御できておらず、計算違いが起きるリスクは増している」と報じている。
〔写真説明〕13日、対イスラエル国境に近いレバノン南部の村で、イスラエルからの砲撃を受けて上がる煙(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方