早稲田大電子政府・自治体研究所は30日、2023年度の「世界デジタル政府ランキング」を発表した。日本は05年度の調査開始以来、初めて10位圏外に転落し11位となった。デジタル庁が所管するマイナンバーカードを巡るトラブルが影響した。
 ランキングは66カ国・地域を対象に、行政サービスのオンライン化や高速大容量の通信規格「5G」の充実度、行政改革への貢献度など10指標を評価、点数化した。1位は3年連続でデンマーク、2位カナダ、3位英国だった。
 日本は、政府によるデジタルサービスへの開発支援や、自由に利用できる「オープンデータ」の開放度で高い評価を得た。一方、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」のひも付けミスなどのトラブルが相次ぎ、同研究所は「国民視点のデジタル化、行財政改革推進に十分な進捗(しんちょく)が見られない」とした。
 同研究所は、デジタル庁の権限が限定的なことや、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れなどを課題として指摘。デジタル活用による官民連携や積極的なデジタル投資などを行うよう提言した。 

(ニュース提供元:時事通信社)