【台北時事】台湾国防部(国防省)は9日、中国が発射した衛星が台湾南部上空を通過したとして防空警報を発令した。訓練以外での発令は極めて異例。13日投開票の総統選で親米路線を取る与党・民進党の頼清徳副総統の優勢が伝えられる中、中国が台湾の有権者を威嚇した可能性がある。
 一方、中国国営中央テレビ(電子版)は9日午後3時3分(日本時間同4時3分)、四川省の西昌衛星発射センターから衛星を搭載した長征2号Cロケットが打ち上げられたと報道。衛星は予定した軌道に投入されたという。
 市民のスマートフォンにはアラームと共に「国家級警報」の文字と、安全に留意するよう呼び掛けるメッセージが表示された。国防部は発表で「監視システムを通じて軌道やその他の情報を綿密に把握している」と強調した。 
〔写真説明〕9日、中国・四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた長征2号Cロケット(AFP時事)
〔写真説明〕9日、台北市民のスマートフォンに表示された防空警報のメッセージ

(ニュース提供元:時事通信社)