【ワシントン時事】米軍は12日、前日に続いてイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を空爆したと発表した。紅海で相次いでいる商船への攻撃に対する報復で、空爆は2日連続となった。一方、フーシ派の反撃も確認されており、国際海運の大動脈の紅海周辺では緊張が高まっている。
 発表によると、前日の空爆は英軍と共同で実施したが、今回は米軍が単独で踏み切った。紅海に展開している米海軍の駆逐艦「カーニー」が巡航ミサイル「トマホーク」で、フーシ派のレーダー施設を攻撃した。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、イエメンの首都サヌアで複数回の爆発音が聞こえたと伝えた。サヌア近郊のダイラミ空軍基地が標的だったとの情報もある。フーシ派の報道担当者は13日、アルジャジーラに、新たな空爆では「物的、人的損害はなかった」と説明。「強力で効果的な対応に出る」と述べた。
 米英両軍は11日、戦闘機や潜水艦、軍艦などを出動させ、フーシ派の拠点28カ所を攻撃していた。フーシ派報道官はこの攻撃で少なくとも5人が死亡、6人が負傷したと主張した。
 これに対し、バイデン米大統領は12日、東部ペンシルベニア州で記者団の質問に応じ、「民間人の被害者は出ていないと思う」と強調。「非道な行いを続けるのであれば、同盟国と共に必ず対応する」とさらなる空爆を示唆していた。 
〔写真説明〕12日、イエメンの首都サヌアで、米英軍によるフーシ派拠点への空爆を受け、抗議するデモ隊(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)