海上保安庁は25日までに、能登半島地震後に富山湾の海底地形を調査した結果、富山市沖約4キロの海底斜面で崩落が確認されたと発表した。同市では地震直後に第1波が観測されており、この斜面崩落によって震源付近とは違う津波が発生していた可能性がある。
 海保によると、調査は15~17日に測量船を使って実施。北陸地方整備局が2010年に行った調査のデータと比較した。その結果、水深260~330メートル付近の海底にある谷の斜面が長さ約500メートル、幅約80メートルにわたって崩れ、水深が最大40メートル程度深くなっていることが分かった。海保は「能登半島地震との関連は不明」としている。
 気象庁によると、富山市では津波の第1波が能登半島地震後の3分後に観測されている。震源により近い石川県七尾市では約30分後に第1波が観測されていることから、震源付近とは別に津波の発生源がある可能性が指摘されている。
 海保は調査結果について、2月に開催される政府の地震調査委員会に報告するとしている。 

(ニュース提供元:時事通信社)