能登半島地震の発生から1カ月となるのを前に、地域防災に詳しい金沢大の青木賢人准教授(自然地理学)が29日、オンラインで記者会見し、過去の地滑りで形成された「地すべり地形」が、多数の集落を孤立化させた要因の一つだと述べた。
 能登半島では一時、4市町24地区で計3345人が孤立状態となった。青木氏によると、半島北岸地域は比較的平らな地すべり地形が広範囲に分布しており、農耕地として集落が形成されてきた。恒常的な降雨に加えて冬は雪も多く、「土壌が常に湿った状態。強震動で同時多発的に地滑りなどが発生し、道路を寸断した」と分析した。
 3方向を海に囲まれた半島の特徴が救助、救援活動などの初動を遅らせたと指摘し、「南海トラフ地震では伊豆半島や紀伊半島などで同様の問題点が考えられる。孤立化することを前提とした防災計画づくりを考えてもらいたい」と訴えた。 

(ニュース提供元:時事通信社)