【サンパウロ時事】南米チリ中部で起きた大規模森林火災の死者は5日、前日から10人増えて122人になった。地元メディアによると、トア内務・治安相は火災の原因について、「故意によるものの可能性を示す十分な形跡がある」と説明。放火の可能性も視野に捜査が行われていると明らかにした。
 バルパライソ州を中心とする火災は発生から4日目を迎え、暑さが和らぎ、火の勢いは弱まりつつある。懸命な消火活動や救助が続けられ、数百人規模とされる行方不明者の捜索も本格化した。ボリッチ大統領は演説で「一致団結して前に進もう」と呼び掛けた。国全体で哀悼の意を表するため、5日から2日間の服喪期間に入った。
 政府当局によると、火災ではこれまでに約2万6000ヘクタールが焼失。被害を受けた家屋は約1万4000戸に上るとみられる。消火では軍のヘリを使い、燃えている森林の上空から水をまく作戦が行われた。 

(ニュース提供元:時事通信社)