政府は27日、経済安全保障上、重要な情報を扱う資格者を政府が認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」の制度導入に向けた新法案を閣議決定した。現在は防衛など4分野で主に公務員が資格を保有するが、今後は経済安保関連も対象となり、企業で研究開発などに携わる民間人に資格保有の拡大が見込まれる。
 新法の名称は「重要経済安保情報の保護および活用に関する法律案」。サイバー脅威への対策や重要物資のサプライチェーン(供給網)などの安全保障に支障を与える恐れのある情報を「重要経済安保情報」として指定。情報漏えいには、最大で5年以下の拘禁刑などの罰則を設ける。
 現在ある特定秘密保護法は、より機密性が高い防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で適性評価を導入しており、罰則も厳しい。今後は情報の重要度に応じ、新法と2段階で運用する。
 重要経済安保情報を扱える資格の付与に当たっては、犯罪・懲戒歴や精神疾患、家族の国籍など7項目について、本人の同意を得た上で身辺調査を実施する。資格の有効期間は10年間とした。 

(ニュース提供元:時事通信社)