【ブリュッセル時事】北欧スウェーデンが7日、北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟した。スウェーデンのクリステション首相が同日、米ワシントンでブリンケン国務長官にNATO加盟の関連文書を手渡し、手続きが完了した。新規加盟は昨年4月のフィンランド以来。ロシアによるウクライナ侵攻を契機に始まった北方拡大を通じ、NATOは32カ国体制となった。
 NATOは、海軍を中心に高い軍事力を誇るスウェーデンの加盟を追い風に、バルト海域や北極圏を含む北欧の防衛体制強化を進める。ただ、北欧2国のうちフィンランドは、ロシアと長い国境で接する。ロシアのプーチン大統領は先月、NATO拡大に伴い「西部方面の軍部隊強化が必要だ」と発言しており、緊張が一層高まりそうだ。
 ロイター通信によると、クリステション氏はワシントンから本国に向けた演説で「スウェーデンはきょう、より安全な国になった。われわれは同盟と後ろ盾を手にした」と加盟の意義を強調した。バイデン米大統領は、声明で「NATOはこれまで以上に結束する」と述べた。NATOは11日、ブリュッセルで加盟式典を開催する。 
〔写真説明〕7日、ワシントンの米国務省で、握手を交わすブリンケン米国務長官(右)とスウェーデンのクリステション首相(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)