物流の「2024年問題」は、地方ほど大きな影響が生じると見込まれている。九州トラック協会会長を務める松浦通運(佐賀県唐津市)の馬渡雅敏社長に地方物流の現状や課題を聞いた。
 ―九州の現状は。
 九州は首都圏まで走行距離が1000キロ以上ある。燃料がいるし労働時間も長くなる。このまま運賃が上がらず、高速道路代や燃料費もきちんともらえなければ、もう九州から運べないということになりかねない。(残業規制もあり)長距離輸送からの撤退や廃業する事業者も出てきている。24年問題はわれわれだけでは解決できない。
 ―運賃交渉は難しいか。
 協議してくれない荷主がまだいる。立場が弱く、「あすから要らない」と言われるのが怖くて協議を言い出せない事業者が全国でも3割ほどいる。人手確保のためにも(国が定めた)「標準的な運賃」はいただきたいし、かかる費用も応分に負担してもらいたい。
 ―荷役や荷待ち時間削減も課題だ。
 何時間待たされても運賃は一定で、残業代を払うのも、違反して罰則を科されるのも運送事業者だ。その辺を理解してもらいたい。(トラックへの積み降ろしを効率化する)パレット化をしている荷主もいるが、農産物は手でパレットに載せる作業を運転手がやらされることがまだある。農家が借りたパレット代金を誰が出すかも課題だ。出荷先の仲卸やスーパーも応分に負担すべきだ。押しつけ合う間にサプライチェーン(供給網)が途切れてしまう。
 ―産業への影響は。
 一番早く影響が出るとすれば価格負担力のない農産物だ。熊本県に立地する半導体工場から単価の高い物を運べるようになれば、運送事業者は農産物を運ばなくなるだろう。九州の農産物は6割が九州外へ出荷されている。地域の物が売れなければ経済的には厳しく、われわれにもジレンマだ。 
〔写真説明〕オンライン取材に応じた九州トラック協会の馬渡雅敏会長(松浦通運社長)=19日(松浦通運提供)

(ニュース提供元:時事通信社)