総務省は16日、通信アプリ「LINE」利用者の情報流出問題を起こしたLINEヤフーに対し、2度目の行政指導に踏み切った。特に問題視したのが、韓国IT大手ネイバーとの関係。LINEヤフーの再発防止策は具体性とスピード感に欠き、不可欠な通信インフラとなったLINEの安全は担保できないと判断した格好だ。
 ネイバーはLINEヤフーの親会社に出資する事実上の大株主。システムの保守・運用も請け負っており、総務省は情報流出の背景にネイバーに対する強い依存があったとみている。
 LINEヤフーは1日、ネイバーへの業務委託を縮小・終了する方針を決め、資本関係の見直しを関係各社に要請したと報告。連携してきた従業員向けシステムも2026年12月までに分離する計画を示した。
 これに対し、松本剛明総務相は16日、「どの委託をいつまでに終了し、また残すのか、具体的な計画を報告してほしい」と、いら立ちを隠さなかった。
 総務省の担当者も「資本関係の見直しは要請にとどまり、検討状況や結果は伝えられていない」と指摘。別の担当者も2年以上先のシステム分離に、「(情報流出)リスクが排除されない状況が続く」と不満を漏らす。
 LINEの国内利用者は約9600万人。地方自治体も全体の8割に当たる約1400団体が利用する。指導文書で総務省は、「国民の大多数が日常的に利用し、公共機関も利用しているサービスであることを改めて認識する必要がある」と、インフラ事業者としての自覚を促した。 
〔写真説明〕通信アプリ「LINE」のロゴ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)