経済産業省は15日、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の基本政策分科会を開き、「エネルギー基本計画」の見直しに向けた議論を開始した。世界的に脱炭素の流れが加速する中、二酸化炭素(CO2)排出を抑える原発や再生可能エネルギーの電源構成上の位置付けが焦点。斎藤健経産相は「脱炭素エネルギーを安定的に供給できるかが国力を大きく左右する」と強調した。
 エネルギー基本計画は、国の中長期的なエネルギー政策の方向性を定めるもので、3年に1度改定される。斎藤氏は前回計画決定時から「わが国を取り巻く状況は大きく変化している」と指摘。エネルギー資源に乏しい日本にとって、地政学的リスクへの対応の重要性が増しているとの認識を示した。
 政府は2050年にCO2など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。13日には、40年に向けた脱炭素化の長期ビジョンの議論も開始。同ビジョンとエネルギー計画の検討を並行して進め、ともに24年度中の策定を目指す。 
〔写真説明〕エネルギー基本計画の改定に向けて議論を開始した有識者会議で発言する斎藤健経済産業相=15日午後、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)