2024/05/23
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相は20~21日に中央アジアのカザフスタンで開かれた上海協力機構(SCO)外相会議に出席した。20日に台湾新総統に就任した頼清徳氏の動向をにらみ、台湾統一を目指す習近平政権への支持を求める外交攻勢を展開。友好国と足並みをそろえ、台湾の国際的「孤立」を国内外に印象付けようとした。
中国外務省などによると、王氏は20日、カザフの首都アスタナで、トカエフ大統領のほか、少なくとも5カ国の外相との会談をこなした。全員が「台湾は中国の一部」とする習政権への支持を表明したという。
王氏はそれに応えるように、経済・貿易、新エネルギー、テロ対策などでの協力強化を約束。ロシアのラブロフ外相とは、中ロ首脳の再会談について話し合った。
21日にはイランの外務次官と会い、同国のライシ大統領らの事故死に哀悼の意を表明。王氏は「中国はイランの友人と共にある」と語り掛け、今後も変わらず両国関係を深化させていくと強調した。
会議期間中、王氏は折に触れて台湾問題に言及。21日には、頼氏が「民族と祖先を裏切る恥ずべき行為」をしていると名指しで批判した。
一方で中国外務省は、SCO加盟国で会議にも出席していたインド代表とのやりとりは発表していない。中印関係は国境問題を巡って悪化しており、王氏の「全方位外交」にも影を落としているもようだ。
〔写真説明〕21日、アスタナで上海協力機構(SCO)外相会議に出席する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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