環境省は23日、クマによる人身被害が相次いでいることを受け、住宅地での猟銃の使用を緩和する案を有識者検討会に示した。7月にも対応を決めた上で、鳥獣保護管理法の改正に向けた作業を始める。
 住宅密集地での発砲は、住民の安全性を確保する観点から同法で原則禁止されている。警察官が緊急性が高いと判断し、命令を出した場合に限り、猟友会のハンターらが撃つことが可能だ。
 ただ、命令が出るまでにクマを見失ったり、住民や自治体職員らがけがをしたりする事例が多数発生。ハンターらの判断で駆除できるよう求める声が上がっていた。
 同日示された対応方針案では、被害の恐れがある場合に住宅地でも猟銃の使用を可能とすることを明記。クマなどが建物内に侵入した際の使用も認めた。一方、捕獲に当たり、現場の指揮系統や事故が起きた場合の責任の所在を明確にする必要性も盛り込まれた。 
〔写真説明〕札幌市東区の住宅街に現れたクマ=2021年6月

(ニュース提供元:時事通信社)