2024/06/08
防災・危機管理ニュース
【キーウ時事】ロシア軍によるウクライナの電力施設を狙った攻撃が、日本語を学ぶ生徒にも影響を与えている。国立キーウ第一東洋言語学校で日本語を学ぶ高校生のマリアさん(15)が7日、「停電になると夜に日本語の勉強ができない」と、3年目に入ったロシア侵攻の厳しい現状を語った。
同校は日本語のほか、中国語、韓国語などアジアや中東の言語コースに特化した小中高一貫校。全生徒約1000人のうち、およそ300人が日本語を勉強している。マリアさんは「日本文学は楽しく、村上春樹の作品が好き」と話す。
ただ、ウクライナではロシア軍による発電施設を狙ったミサイル攻撃などが相次いでおり、電力不足が深刻化。首都キーウでは計画停電が常態化している。マリアさんは「日本に行ってみたい」と、難しい漢字を学習しているが、停電で部屋の明かりが消えれば勉強ができないという。
日本語教師のアンチポワさんは、5人いた日本語の教員は国外避難などで今は3人に減り、授業を続けるのが大変だと説明。プロスクラ校長は「150人を超える職員が国内に残り爆撃が続く中で生徒への授業を続けている」と、校舎の補修など教育維持に必要な支援を訴えた。
ウクライナ企業との商談でキーウを訪問している日本企業関係者らが7日、同校を視察。日本貿易振興機構(ジェトロ)の片岡進副理事長は「日本は常にあなたたちと共にある」と呼び掛けた。
〔写真説明〕国立キーウ第一東洋言語学校で日本語を専攻するマリアさん(左から2人目)=7日、キーウ
〔写真説明〕支援を訴える国立キーウ第一東洋言語学校のプロスクラ校長(右から5人目)と日本語教師ら=7日、キーウ
(ニュース提供元:時事通信社)


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