2026/04/17
防災・危機管理ニュース
温暖化が地域の河川といった水資源に及ぼす渇水などの影響評価について議論する「水資源分野における気候変動への適応策のあり方検討会」(座長=沖大幹・東京大学大学院工学系研究科教授)の初会合が17日、東京都内で開かれた。検討会では、影響の全国的、マクロ的な傾向を把握するほか、各地の流域をミクロ的にみて、実際に影響評価していく手法の具体化を目指す。ただ、足元でも、全国の多数の一級河川水系で渇水対策が実施されているさなかであり、異常気象による影響との見方がある。国土交通省水資源部長の宮武晃司氏は会議冒頭、「我が国にとって、避けては通れない切迫したテーマだ」と懸念を示した。
この日は、東京都立大学都市基盤環境学科教授の滝沢智氏が会場で出席したほか、6人の委員がウェブ上で参加。全国的な影響の把握手法などについて、議論が行われた。
国交省水資源部長の宮武氏があいさつに立ち、2025年度の記録的な少雨について言及。「昨年7月は記録的に早い梅雨明けとなった。そのため、東北と北陸の日本海側では、統計開始以来、最も少ない降水量となった」と指摘。さらに、「今年1月にかけて、今度は場所が変わり、西日本の太平洋側と九州で、30年に一度の顕著な少雨となった」と振り返った。加えて「現在も全国10水系で渇水対応中であり、特に愛知、奈良、香川、愛媛、福岡県では水道の減圧給水など厳しい状態にある。これに対して、市民への節水の呼びかけ、河川管理者が調整役となって、取水制限や利水者間の水融通などを行っている」と述べた。
今回の少雨は、気象庁の検討会などでも、異常気象の影響だとの見解が示されているという。また、こうした影響で雨や雪の降らない日の増加や、積雪量の減少が予測されていることに言及し、「渇水がさらに深刻化する可能性が指摘されている」と警戒感を示した。
今夏にもガイドライン案取りまとめ
気候変動による水資源への影響を、流域の関係者間で共有し、将来も安定した水利用ができるように協議していくことが重要だとして、検討会では、河川などへの影響や、その評価方法について議論を進めていく。今夏にガイドライン案として取りまとめを行い、全国的に提示していく方針だ。
まずは、渇水などの影響について、全国的な傾向の把握を行いながら、地域の個別流域ごとにその影響を評価するための手法を検討し、知見を取りまとめることなどが当面の目標となる。
練られた成果は、その後、各地で流域関係者が影響を「見える化」する手法として適用し、水管理の調整などの面で活用してもらうことを想定している。
検討会は今後、月1回程度のペースで開催していく予定で、次回は5月中旬のスケジュールを見込んでいる。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/05/26
-
-
-
-
-
顧客の安全と安心をAIと人のアシスタンスサービスで追求
JTBグローバルアシスタンス(東京都千代田区)は、渡航先でのけがや荷物の紛失、言語の壁など、海外旅行に関わるトラブルを包括的にサポートしてきた。昨今では地政学リスクの高まりに応じ、自社の危機管理ソリューションを生かした出張者や駐在員の安全確保にも注力している。創業35年を機に、AIと人間、それぞれの長所を組み合わせたハイブリッド型サービスの展開を目指す。混沌(こんとん)とした時代の中、海外旅行に伴うリスクを低下させ、旅行者の安全をどのように確保するのか。鈴木章敬代表取締役社長に話を聞いた。
2026/05/19
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方