ウェブ会議で議論が行われた

温暖化が地域の河川といった水資源に及ぼす渇水などの影響評価について議論する「水資源分野における気候変動への適応策のあり方検討会」(座長=沖大幹・東京大学大学院工学系研究科教授)の初会合が17日、東京都内で開かれた。検討会では、影響の全国的、マクロ的な傾向を把握するほか、各地の流域をミクロ的にみて、実際に影響評価していく手法の具体化を目指す。ただ、足元でも、全国の多数の一級河川水系で渇水対策が実施されているさなかであり、異常気象による影響との見方がある。国土交通省水資源部長の宮武晃司氏は会議冒頭、「我が国にとって、避けては通れない切迫したテーマだ」と懸念を示した。

この日は、東京都立大学都市基盤環境学科教授の滝沢智氏が会場で出席したほか、6人の委員がウェブ上で参加。全国的な影響の把握手法などについて、議論が行われた。

国交省水資源部長の宮武氏があいさつに立ち、2025年度の記録的な少雨について言及。「昨年7月は記録的に早い梅雨明けとなった。そのため、東北と北陸の日本海側では、統計開始以来、最も少ない降水量となった」と指摘。さらに、「今年1月にかけて、今度は場所が変わり、西日本の太平洋側と九州で、30年に一度の顕著な少雨となった」と振り返った。加えて「現在も全国10水系で渇水対応中であり、特に愛知、奈良、香川、愛媛、福岡県では水道の減圧給水など厳しい状態にある。これに対して、市民への節水の呼びかけ、河川管理者が調整役となって、取水制限や利水者間の水融通などを行っている」と述べた。

冒頭に発言した宮武・水資源部長

今回の少雨は、気象庁の検討会などでも、異常気象の影響だとの見解が示されているという。また、こうした影響で雨や雪の降らない日の増加や、積雪量の減少が予測されていることに言及し、「渇水がさらに深刻化する可能性が指摘されている」と警戒感を示した。

今夏にもガイドライン案取りまとめ

気候変動による水資源への影響を、流域の関係者間で共有し、将来も安定した水利用ができるように協議していくことが重要だとして、検討会では、河川などへの影響や、その評価方法について議論を進めていく。今夏にガイドライン案として取りまとめを行い、全国的に提示していく方針だ。

まずは、渇水などの影響について、全国的な傾向の把握を行いながら、地域の個別流域ごとにその影響を評価するための手法を検討し、知見を取りまとめることなどが当面の目標となる。

練られた成果は、その後、各地で流域関係者が影響を「見える化」する手法として適用し、水管理の調整などの面で活用してもらうことを想定している。

検討会は今後、月1回程度のペースで開催していく予定で、次回は5月中旬のスケジュールを見込んでいる。