2026/05/19
危機管理の伴走者たち
トップインタビュー
JTBグローバルアシスタンス代表取締役社長 鈴木章敬氏
Profile 【すずき・あきたか】
法政大学工学部卒。1992年、株式会社JTB に入社。団体旅行銀座支店に配属後、約14年間法人営業を経験。本社営業企画部に異動後、Webとコールセンター事業に従事。主に営業現場と営業企画畑を歩む。仕入商品事業部の東日本仕入責任者、クルーズ事業部長、コールセンター販売部長を歴任。2025年4月、代表取締役に就任。
JTBグローバルアシスタンス(東京都千代田区)は、渡航先でのけがや荷物の紛失、言語の壁など、海外旅行に関わるトラブルを包括的にサポートしてきた。昨今では地政学リスクの高まりに応じ、自社の危機管理ソリューションを生かした出張者や駐在員の安全確保にも注力している。創業35年を機に、AIと人間、それぞれの長所を組み合わせたハイブリッド型サービスの展開を目指す。混沌(こんとん)とした時代の中、海外旅行に伴うリスクを低下させ、旅行者の安全をどのように確保するのか。鈴木章敬代表取締役社長に話を聞いた。
※本記事は「月刊BCPリーダーズvol.73(2026年4月号)」に掲載されたものです。
――JTBグローバルアシスタンスの設立経緯を教えてください。
JTBグループのツーリズム部門として1990年に創業しました。海外旅行自由化から20年以上が経過し、海外旅行の一般化が進んだ時代。航空機や宿泊先の予約と食事や観光がセットになったパッケージ旅行のニーズは、ますます高まっていました。
旅行会社として当時から、お客様の安全と安心の確保を最優先に活動しています。海外旅行では、文化や言語の違いからさまざまなトラブルが発生します。よくある例は、旅先でのけがや手荷物の紛失です。現地支店を活用しながら、緊急時の駆け込み寺となれるように取り組んできました。
――創業時と比べると海外旅行はどう変化していますか。
最近は旅行の手配方法が変化しています。以前のようにパッケージ旅行を申し込むのではなく、自分たちで航空機とホテルをオンラインで予約する個人旅行が増えています。さまざまな手配のハードルが低下し、自ら予約することで費用も抑えられます。この場合、意図せず削っているのがリスクに備えるためのコストです。
海外旅行と表現すると平和な印象です。しかし、海外旅行はリスクの観点からグローバルな危機管理の範疇にあります。昨今の中東のように、急な情勢変化にあわせた即時の対応が求められます。発生を予測できず、急に起こる災害も同様です。
私たちは、トラブルに巻き込まれたときに、現地で頼れる相談役として存在しています。パッケージ旅行の利用者だけでなく、個人旅行や滞在者の方々にも警察対応の支援や医療機関の手配などのサポートサービスを提供しています。
――海外拠点数と対応エリアは。
直近の拠点数は40ほどで、対応エリアは南極を除く全ての大陸です。お客様を現地でサポートするため、拠点を多く確保することは極めて重要です。一方で、メールやチャット、オンライン会議などを利用できるようになり、オフィスとしての拠点の役割は低下しています。拠点規模を拡大するというよりは、拠点で対応可能なサービスを充実させていくことを重視しています。また、企業として効率化は不可避です。24時間365日、世界的なモニタリングを維持しながらの拠点配置を考えています。
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