2026/05/10
防災・危機管理ニュース
【パリ時事】大西洋を航行中、ネズミなどのげっ歯類が媒介する「ハンタウイルス」に少なくとも6人が感染、3人が死亡したクルーズ船「MVホンディウス」は10日、アフリカ北西沖のスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に到着した。船内に残った日本人乗客1人を含む約150人は同日時点で感染の兆候がなく、一部乗員を除いて順次下船。島内の空港から特別機で帰国の途に就き始めた。
世界保健機関(WHO)は感染が大規模拡大する可能性は低いとみている。ただ、乗客らは感染者と船内で共同生活を長期間送ったため、「高リスク接触者」に当たると判断。感染者との最後の接触から42日間の隔離と監視を勧めている。
クルーズ船が港の沖合に停泊後、乗客らは小型船で上陸。最初はスペイン人グループで、専用バスで空港に移動し、チャーター機で首都マドリードに向かった。AFP通信によると、フランス人グループも続いた。下船・出国は乗客の国籍別に複数回に分けて行われ、11日までかかる予定。テドロスWHO事務局長も現地入りした。
同船は南米アルゼンチンを4月1日に出港。南極や孤島を経て、アフリカ沖の島国カボベルデで今月4日に航海を終える予定だった。しかし、濃厚接触によるヒトからヒトへのまれな感染で知られる「アンデス株」が全ての感染者から検出。同国当局が入港を拒否し、最寄りのカナリア諸島まで航行を余儀なくされた。
スペインのサンチェス首相は9日、「助けの必要な人に味方する」とSNSに投稿。一方、地元は受け入れに反対で、一部市民が抗議デモで「仕事がほしい。病気はいらない」と訴えた。
感染経路は未解明だが、死亡したオランダ人夫妻は乗船前に南米を旅行していた。WHOはその間に感染があり、船内で別の乗客に拡大した公算が大きいとみている。
一部乗客は途中下船し、感染判明前に旅客機に搭乗した。関係国は他の搭乗者らに体調変化がないか問い合わせている。
ハンタウイルスは通常、ネズミにかまれたり、排せつ物を含むほこりを吸い込んだりして感染。発熱、腹痛、呼吸困難を引き起こす。確立された治療法やワクチンはない。
〔写真説明〕10日、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に到着したクルーズ船「MVホンディウス」(AFP時事)
〔写真説明〕10日、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島にある空港で、クルーズ船「MVホンディウス」から下船し、防護服を着てチャーター機に乗り込むスペイン人の乗客ら(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


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