名古屋工業大と金沢医科大の研究チームは13日、熱中症になった人は、その後白内障の発症リスクが約2倍高くなるとする研究結果を発表した。全国約246万人分の診療データを分析したもので、30代はリスクが約3倍に上った。チームは「熱中症対策は、将来的な目の健康維持にも関わる可能性がある」としている。
 白内障は、目の水晶体が濁って視力低下を引き起こす病気で、加齢が主な原因とされる。暑さや直射日光などによるストレスとの関連も指摘されてきたが、熱中症との関係を全国規模で調べた研究は少なかったという。
 平田晃正・名工大教授らの研究チームは、2010年4月~23年12月に追跡できた全国約246万人分のレセプト(診療報酬明細書)データを解析。熱中症の受診歴がある人とない人を比較し、その後の白内障の発症リスクを調べた。
 その結果、熱中症になったことがある人は、白内障の発症リスクが1.96倍高かった。白内障の一種で、加齢や熱ストレスとの関連が指摘される「核白内障」では2.16倍だった。
 年代別では30代で2.99倍、糖尿病のない人でも2.44倍と、これまでリスクが高いと考えられてこなかった層でも関連が目立った。チームによると、熱によって水晶体のたんぱく質が変性し、白内障につながる可能性があるという。
 平田教授は「熱中症にならないように日頃から健康管理をしてほしい。目を冷やすことも重要だ」と話している。論文は米科学誌「エンバイロメンタル・リサーチ」に掲載された。 
〔写真説明〕熱中症で休憩する人(写真はイメージ)

(ニュース提供元:時事通信社)