【ニューデリー時事】中東情勢の緊迫化で高騰する燃料節約のため、インドのモディ首相が国民に在宅勤務を呼び掛けている。今のところ強制力はないが、かつて新型コロナウイルスの感染爆発時に政府が強いたロックダウン(都市封鎖)の再来を懸念する声も上がっている。
 モディ氏は10日、南部ハイデラバードでの演説で、エネルギー消費や外貨流出を抑えるため協力を要請。コロナ禍で一般化したオンライン会議や公共交通機関の利活用に加え、化学肥料を節約し海外渡航や金の購入を1年間控えるよう求めた。インドは世界有数の金消費国だ。
 翌11日の株価は宝飾品関連を中心に下落。モディ氏はその後も同様の呼び掛けを行い、SNS上では「インドが徐々に『エネルギー・ロックダウン』の段階へ向かっている」といった見方が拡散した。
 首都ニューデリーのオートリキシャ(三輪バイクタクシー)運転手ラリット・パルさん(26)は「私たちは貧しく、あちこち出向いて働かないと生きていけない」とロックダウンを心配する。臆測の広がりを受け、プリ石油・天然ガス相は12日、「全くの虚偽でデマ」と否定。燃料備蓄は十分で、手頃な価格で供給できていると強調した。
 一方、地元メディアは4月の地方議会選を終えたことで、政府が約4年間据え置いていたガソリンと軽油の小売価格を近く引き上げるとの観測を伝えた。値上げが急激なら景気減速につながる可能性もある。
 インドは国内の原油需要の約9割を輸入に頼っており、他の品目も合わせた昨年度の輸入総額は約7750億ドル(約122兆円)に上る。外貨準備高は今年5月1日時点で約6907億ドルで、米国によるイラン攻撃前の2月27日時点の約7285億ドルから減少した。 
〔写真説明〕給油のためガソリンスタンドに並ぶバイクの列=11日、インド西部ムンバイ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)