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イングランド銀行(Bank of England:英国の中央銀行)は、英国内の銀行や外国の大手銀行、機関投資家などを対象とした「Systemic Risk Survey」というアンケート調査を毎年2回実施し、その結果を公表している。

タイトルにある「Systemic Risk」とは、特定の金融機関などにおける機能不全が、他の金融機関や金融システム全体にまで波及するリスクのことであり、この調査は英国の金融システムの安定性に関するリスクを、市場参加者がどのように認識しているかを追跡調査するものとなっている。

本稿ではその最新版として、2022年上半期の調査結果を紹介させていただく(注1)。なお調査は2022年1月24日から2月14日までの間に実施され、結果は3月に発表されている。調査対象は金融機関や機関投資家などのリスクマネジャーや財務部門の責任者など70人で、回答率は71%とのことである。

本報告書は下記URLで全文を読むことができる(注2)
https://www.bankofengland.co.uk/systemic-risk-survey/2022/2022-h1


図1は本報告書のなかで最初に掲載されている図で、今後3年間における英国の金融システム全体としての安定性について、どの程度信頼できるかを尋ねた結果である。回答は次の5つの選択肢から選ぶようになっており、各選択肢に設定されているスコア(-1〜1)で全ての回答を重み付けした結果が「Net」として白色の折れ線グラフで示されている。

・Complete confidence(完全に信頼できる): 1
・Very confident(とても信頼できる): 0.5
・Fairly confident(かなり信頼できる): 0
・Not very confident(あまり信頼できない): -0.5
・No confidence(信頼できない): -1

画像を拡大 図1.  今後3年間における英国の金融システム全体としての安定性に対する信頼度 (出典:Bank of England / 2022 H1 Systemic Risk Survey)

これを見ると2016年下半期から概ね上昇傾向であり、新型コロナウイルスによるパンデミック以降で特に信頼感が高まっている。また、最新の調査結果(右端)では、「Very confident」(とても信頼できる)と回答した人が最も多いことがわかる。

別の設問では、英国の金融システムにおいて短期的および中期的に、インパクトの大きな事象(high-impact event)が発生する確率について尋ねられているが、これらはいずれも下降傾向にある。これらのような認識が図1の結果に繋がっていると考えられる。