2023/05/13
防災・危機管理ニュース
【カイロ時事】アフリカ北東部スーダンで正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が始まって、15日で1カ月になる。幾度も発表された一時停戦は守られず、人道状況は悪化の一途。戦闘地域の住民は「基本的な物資すら手に入らない。早く普通の生活に戻りたい」と悲痛の声を上げているが、恒久停戦への道筋は見えていない。
米政府は11日、スーダン軍とRSFが民間人保護や病院からの戦闘員撤退、人道支援の安全な実施を可能にすることなどを保証する合意文書に署名したと発表した。米国とサウジアラビアの仲介で、軍とRSFの代表者が協議していた。
だが、期待された停戦は先送りされ、報道によると、12日も首都ハルツームで戦闘が起きた。新たな合意も順守されるかは不透明だ。
軍とRSFの衝突が始まった4月15日以降、750人以上が死亡したとされる。食料や水の不足は解消されず、医療機関は崩壊状態。各地で略奪も発生している。国連によると、70万人以上が国内避難民となり、約20万人が国外へ逃れた。
首都近郊オムドゥルマンに住むムハンマド・オベイドさん(32)は「生活はとても厳しい」と窮状を語った。銀行の営業停止が続き、現金が不足。あらゆる物が値上がりし、食事を減らしてしのいでいる。燃料費高騰でバスの運賃が「法外な値段」に跳ね上がり、退避は難しいという。
スーダンの民主派組織の一つ「未来のスーダン」のアディル代表は、軍もRSFも勝利に執着していると指摘。独裁政権が倒れ、ようやく民政移管へ動きだした中での衝突に「多くの国民が犠牲を払ったのに、とても悲しい」と嘆いた。
〔写真説明〕12日、煙が上がるスーダンの首都ハルツーム(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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