14日午前9時ごろ、秋田県能代市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)能代ロケット実験場で、固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段の地上燃焼試験中に爆発が起きた。地元消防によると、けが人はいなかった。
 イプシロンSは、昨年まで運用されていた「イプシロン」の改良型で、全長約27メートル、3段式の固体燃料ロケット。JAXAは2024年度の初打ち上げを目指しているが、主要部のトラブルにより、開発スケジュールへの影響が懸念される。
 JAXAによると、第2段は打ち上げ能力向上のため、推進薬を従来の15トンから18トンに増量。大型の液体燃料ロケット「H3」の固体補助ロケットと推進薬の材料を一部共通化するなどの変更が加えられた。
 14日の燃焼試験は、第2段の着火・燃焼特性や断熱材の性能などを調べるため、2分間の予定で行われた。午前9時の試験開始約20秒後から燃焼ガスの圧力が予測値よりもやや高めになった後、57秒後に異常燃焼が発生し、爆発したという。
 JAXAは、試験で得られた燃焼データなどの詳細解析を進める方針。また、推進薬の設計変更の影響や、製造時の品質管理などについても詳しく調べる。
 地元消防によると、消防車など11台が現場に出動し、火は約1時間半後にほぼ消し止められた。 
〔写真説明〕ロケット燃焼実験中に爆発が起きた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験施設=14日午後、秋田県能代市

(ニュース提供元:時事通信社)