ロシアのペスコフ大統領報道官は17日、昨年7月に国連とトルコの仲介で成立したウクライナからの穀物輸出合意について「事実上きょうで効力を停止した」と述べた。合意の期限は17日までで、ロシアの同意がなければ18日に失効する。アフリカなどの途上国で食料危機の懸念が再び高まりかねない。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ロシアが合意から離脱しても「恐れることはない」と述べ、黒海経由での輸出を継続する用意があると強調した。ただ、トルコがロシアの意向を無視して協力することなどが必要で、実現できるかは不透明だ。
 タス通信によると、ロシアのザハロワ外務省情報局長は「合意延長に反対だとトルコやウクライナ、国連に正式に通知した」と説明。グリズロフ駐ベラルーシ大使も、外交ルートでウクライナ側に通知したことを確認した。
 ただ、ペスコフ氏は合意について、ロシアの要求が満たされれば「直ちに復帰する」とも語った。トルコのエルドアン大統領は17日、「プーチン大統領は継続を望んでいると信じている」と話し、ロシアと外相レベルで電話協議を行い、延長や早期復活に向けた説得を続ける意向を示した。 
〔写真説明〕ボスポラス海峡を航行するウクライナ産穀物を積んだ貨物船=2022年11月(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)