【イスタンブール時事】ロシア軍は20日、ウクライナ南部の黒海沿岸地域への攻撃を続け、港湾都市オデッサで少なくとも1人が死亡、8人が負傷した。ミコライウでは少なくとも1人が死亡、18人が負傷した。地元当局が明らかにした。オデッサでは港の食料貯蔵庫が被弾するなど連日被害が出ている。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は19日夜のビデオ演説で、オデッサの港には「中国向けの農産物6万トンが貯蔵されていた」と指摘。「世界の誰しもがロシアによるテロの影響を被っている」と訴えた。オデッサ州のキペル知事は20日、現地の中国総領事館にも被害が出たと主張した。
 ウクライナ空軍は20日の声明で、ロシア軍がオデッサとミコライウを多数のミサイルやドローンで攻撃したが、一部を迎撃したと発表した。ミコライウ州のキム知事は20日、「敵の攻撃でミコライウの3階建ての建物などが被害を受けた」と述べ、負傷者には子供も含まれていると明らかにした。
 ロシアは17日にウクライナ産穀物輸出合意の履行停止を宣言。トルコ国防省筋によると、ロシアは20日までに、イスタンブールに設置された合意履行のための「共同調整センター」から要員を撤収させた。
 ロシア国防省は19日、ウクライナの港湾に向かうすべての船舶が攻撃対象になる可能性を示唆した。ウクライナ国防省も20日、ロシアや同国の占領下にあるウクライナの港に向かう船舶に対し、ロシア側と同様の措置を取ると表明した。 
〔写真説明〕20日、ウクライナ南部オデッサで、ミサイルが落ちた建物の消火活動をする消防隊員(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)