中古車販売大手ビッグモーター(東京)の岐阜県内の店舗で店長として働いていた男性が、上司のパワハラや残業代の未払いがあったとして、同社に計約2100万円の支払いを求める訴訟を岐阜地裁に起こしていたことが26日、男性の弁護士への取材で分かった。
 訴状や弁護士によると、男性は2017年に入社。19年に岐阜県内の店舗で店長に就任した後、店長らが参加する無料通信アプリ「LINE」のグループチャットで、上司から「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」「日本語大丈夫?」などの暴言を受けたとされる。また、計約1800万円の残業代が支払われていないという。
 男性はその後、うつ病を発症し、21年6月に同社を解雇された。昨年8月に提訴したが、同年9月に交通事故で亡くなり、両親が訴訟を引き継いでいる。
 弁護士によると、ビッグモーター側はパワハラに関し、指導の一環と主張して否定。未払い賃金については、男性は残業代などが支払われない「管理監督者」だったとして支払いを拒否しているという。
 ビッグモーター側は訴訟について「コメントは差し控える」としている。 

(ニュース提供元:時事通信社)