食料・農業・農村政策審議会(農林水産相の諮問機関)は11日、「農政の憲法」と呼ばれる食料・農業・農村基本法の見直しの方向性を示した最終取りまとめを野村哲郎農水相に答申した。ロシアによるウクライナ侵攻で不安定化する食料安全保障の強化が柱。政府は、来年の通常国会への提出を目指す基本法改正案に反映させる考えだ。
 審議会で野村氏は「今後の食料・農業・農村政策を構築していく上での指針となるものだ」と語った。最終取りまとめには、国内生産の増大を基本としつつ、輸入や備蓄の活用で平時から食料の安定供給確保を図ることを盛り込んだほか、紛争や異常気象など不測の事態での体制整備も打ち出した。
 また、肥料・飼料価格の高騰で農家の経営が圧迫されたことを受け、生産コストを価格に転嫁する仕組みの構築を求めた。兼業農家など「多様な農業人材」が農地保全などに一定の役割を果たすことを明記した。 
〔写真説明〕食料・農業・農村基本法見直しの方向性を示した最終取りまとめを受け取る野村哲郎農林水産相(右)。中央は大橋弘・審議会会長=11日午後、農水省

(ニュース提供元:時事通信社)